掃除がしたい小学生も本当にいる。

私は小学校の先生だった頃、担任は持っていませんでしたがよくサポートに入る低学年のクラスがありました。

そして掃除の時間にもそのクラスの児童たちと一緒に掃除をしていました。

私が担当していた場所は児童たちが出入りする昇降口で、下駄箱があるところでした。

児童たちは数名で班になって、教室や廊下など、いくつかの場所を決まった期間で回って掃除をしていました。

児童たちが学校の掃除をするのはよくある光景だと思いますが、大体はみんな掃除をするのは嫌で、特に男子がサボって遊ぶというのが多かったと思います。

これまでいろんな学校やクラスを見てきて、ある程度はその学校やクラスでの文化とか特色があるとは思っていましたが、私が知る限り掃除はみんな好きではないようでした。

私自身も小学生だった頃一応真面目に掃除はしていましたが、楽しくはなかったです。

今回の小学校の話に戻ると、昇降口の床面はタイル張りになっていて、タイルとタイルの間に浅い溝ができていました。

その溝の砂を箒ではいて綺麗にするのを頑張っていました。

低学年の児童たちはちゃんと掃除をしていたので、箒でのはき方を言ったくらいで基本的に私は何も言わず一緒に掃除していました。

掃除が始まったはじめの数日は、このクラスは「ちゃんと掃除しなさい」と注意したりせずにすむので平和でいいなぁと思っていました。

そしてしばらく児童たちの様子を見ていると、児童たちは「ここに砂がある」とか「いっぱい砂が集まった」や「もっと砂集めたい」「ここは僕が集める」「楽しい」

とか言っていて、どうやら掃除がしたいと思っていることに気づきました。

しかも班が変わって別の児童たちが来ても同じように掃除していました。

このクラスの児童たちは掃除がしたいみたいなんです。

むしろ掃除場所の取り合いで喧嘩にならないか私がヒヤヒヤしていたくらいです。

担任の先生も「子供たち本当に掃除したいと思ってるね〜」と言っていたのでやっぱり珍しいことだったようです。

どうしてそうなったのか分かりません。

いったい何が影響して、この学年だけ掃除は楽しいものだということになっているのだろうと思いました。

それから児童たちも昇降口の掃除に慣れてきて、掃除の時間内に綺麗にできるようになると「もう砂がない!」と言うことになりました。

でも児童たちは掃除がしたい。

すると次は、他の場所も掃除しよう、となったみたいです。

私はいいことだと思って止めなかったのですが…

児童たちが次に掃除し始めたのが高学年の下駄箱あたりでした。

するとちょうど高学年の担任の先生が通りかかって、「ここは掃除せんといて」と児童たちに言っていました。

私は少し離れたところにいたのですが、何で掃除するのを止められてるのかな?と思いました。

どうやら先生としては高学年の児童たちに掃除をさせたかったみたいです。

先生は少し困った様子で「ここ掃除したらお兄ちゃんお姉ちゃん達が掃除しなくなってしまうから」と言っていました。

それを聞いて私は、高学年の児童たちは進んで掃除したいタイプではないんだ!と思いました。

それから決められたところだけを掃除する学校の掃除のシステムってどうなんだろうとも思いました。

だからといって、どう変えたら良いかは私も分かりませんでした。

結論、自分の掃除場所以外も掃除したくなるくらい、掃除が好きな児童たちはいました。

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