子供の頃、自分の全てを知ってほしいと思っていた。

「自分の全てを知ってほしい」という話を、いろんなところで聞いたことがあります。

テレビやネット、本や漫画など、特に恋愛の話で相手に自分の全てを知って欲しいとか、相手の全てを知りたいと言う話が多かったと思います。

私も子供の頃は、親しい人や大切な人には自分の全てを知って欲しいと思っていた時があります。

自分の全てを知ってもらえないなんて、何だか寂しいと思っていました。

そんな風に思っていた頃、「自分には4つの自分がある」という話を聞きました。

確か学校の授業で聞いた話だと思いますが、結構有名な考え方のようです。

それは「自分も相手も知っている自分」と「自分は知っていて相手は知らない自分」と、

「自分は知らないけど相手は知っている自分」と「自分も相手も知らない自分」の4つの自分が存在するという考え方です。

この話自体は授業で少しだけ触れられたくらいで、すぐに終わってしまったと思いますが、私にとってはとても興味深い話だったので覚えています。

例えば眠っている時の自分のことは自分でも分からないし、自分の子供の頃の事を自分では覚えていなくても親は知っていたりします。

そんな風に考えると、確かに4つの自分が居るんだなと納得しました。

その考え方を知ってから、「そもそも誰かに自分の全てを知ってもらうことはできない」と思うようになりました。

ただ「自分の全てを知ってほしい」と言うのは本当に全てではなく、できるだけ多くの事を知っていてほしいという意味かも知れません。

でも今は、「お互いに知らないこともあるから面白い」と思います。

それに自分でも気づいていない自分がいるなら、お互いに知らない事があって当然だなと思います。

そして相手が知らない相手の事を、私が知っていると考えるのも面白いです。

自分の全てを知ってもらえなくても悲しくない、そう思えるようになって、気持ちが楽になりました。

全ては分からなくても、お互いにもっと知りたいとか、一緒にいたいと思えるなら、それは嬉しい事だと思います。

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