いつか病気は良くなると、信じていたけど… 祖父との思い出4

祖父が病気になってからの日々。

おじいちゃんの病気は、5年経っても、10年経っても良くならなかった。

おじいちゃんの世話を、家族が家でしていた時期もあったけど、病院や施設にいることが多くなった。

おじいちゃんと離れている時も、私はよく昔おじいちゃんが元気だった頃を思い出していた。

あの頃は本当に子供で、あまり深いことは考えていなかったけど、今思うと私はおじいちゃんのことが大好きだった。

そして病気になってからもずっと大好きだった。

祖父に会いに行く日々。

病気のおじいちゃんの姿を見るのは辛かったけど、それでもおじいちゃんには会いたいから何度もおじいちゃんの居る施設に行った。

折り紙で折った鶴や花を持って行ったり、手作りのクッキーを持って行ったこともある。

おじいちゃんはしゃべることはできなかったけど、私を見つめている目が、ちゃんと覚えてるよと言っているみたいで、

いつも私を嬉しいような、悲しいような、何とも言えない気持ちにさせた。

この世界は、さみしい。

中学生になると、あまり深く物事を考えなかった小学生までとは違い、なぜ自分は生きているんだろうと考えるようになった。

なんだか急に自分は一人ぼっちだと感じた。

今思うと、これが成長するってことなんだと思うけど、当時は本当に寂しかった。

もしおじいちゃんが元気だったら、どんなに心強かっただろうとか、どんなに安心できただろうと思った。

元気なおじいちゃんに会えないことが悲しすぎて、何度も泣いていた。

大人になるにつれ、友達とか、家族とか、大切な人が自分にもいると分かってきたけど、そう思えるようになったのも、おじいちゃんのおかげだと思う。

もしおじいちゃんに出会えていなかったら、私はもしかしたら今この世にはいなかったかもとも思う。

だって昔おじいちゃんと過ごした、あの幸せで楽しかった日々を知らずに生きていけるなんて想像できないから。

大切な人を失うとどうなるか、答えを知った。祖父との思い出5に続く

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