お別れの時間を丁寧に過ごす。
おじいちゃんの葬儀は和やかに行われた。
90歳すぎだったため、
長生きしたねという喜ばしい雰囲気もあった。
私はこの葬儀の時間を、
これもおじいちゃんとの思い出の一つになると思って丁寧に過ごした。
いつか、
こんな日が来ることは分かっていたけど、
おじちゃんが亡くなったあと、
私や周りの人たちはいったいどうなるんだろうと思っていた。
大切な人を失うということ。
おじいちゃんが亡くなって分かったことは、
「今まで一緒に暮らしてきたのに急に家におじいちゃんが居なくなって寂しい」とか
「最近出会った時は楽しそうに話していた」とか、
そんな元気なおじいちゃんとの、
最近の思い出話が何もないということだった。
おじいちゃんが亡くなった今じゃなくて、
おじいちゃんが病気で倒れた時から、
そんな昔からずっと寂しかった。
その事実がただ悲しいと思った。
祖父との思い出6に続く