私は小学校の先生だった頃、特別支援学級で授業もしていました。
特別支援学級では障害のある児童が授業を受けていました。
特別支援学級は普通学級とは違う変わった授業も多かったです。
また特別学級の児童は個別で授業を受けることもあれば、普通学級に入って授業を受けることもありました。
今回は特別支援学級の小学6年生の児童との授業について話します。
その子は物を作ることが好きな児童でした。
私が特別支援学級に行った時はよく図工のようなことをしていました。
そこには色々な道具があって、その子はどんなものがあるか色々見せて説明してくれました。
いろんな物が置いてあって、時間割の確認方法もその子がわかりやすいように工夫されていました。
ある時その特別支援学級に行くと、牛乳パックで作ったイスがありました。
そしてその日は同じ物を作ることになりました。
たくさんの牛乳パックを重ねてまとめて、重さに耐えられるように強くしてイスの形にくっつけます。
イスと言っても背もたれも足もない、簡単なかたまりです。
こういう作業をするときは、いつもその子が私に色々教えてくれました。
物作りとかクリエイティブな才能のある子だなと感じました。
私も絵を描いたり物を作ったりするのが好きだったので、一緒に作るのが楽しかったです。
以前サポートに入っていた先生も物作りが好きな先生だったとその子が言っていました。
私もそうだったので、その子と気があったのかもしれません。
ある時、その子は見たことがないくらい興奮して、怒りを抑えきれない様子だったことがあります。
詳しい経緯はわかりませんが、「どうしてもこうしたかった」と思うことがあったみたいです。
他の児童も関係していたみたいで、「自分はこうしたかった」という感情で頭の中がいっぱいのようでした。
私はいろんな学級にサポートに入っていたので、この子と過ごす時間はそんなに多くなかったのですが、普段は穏やかな子でした。
でもその時は自分の激しい感情を自分自身でもコントロールできないように見えました。
そのことについて私が何かできるわけではありませんでしたが、その子の普段とは違った一面を知りました。
人間の感情って本当に難しいと思います。
自分の小学生の頃を思い出すと、自分自身でもどんな感情を自分が抱いているかを理解できていなかった気がします。
ずいぶん時間が経ってから、あの時自分は苦しかったんだなぁと気付いたりしました。
そんな時に自分は成長したなと感じます。
でも大人になっても些細なことで不安になったり、気にしたり、悩みは絶えません。
気持ちって難しいです。