小学校では児童がダメなことをした時、先生に怒られたら謝って許してもらう、そういう場面はよくあることだと思います。
例えば忘れ物をした時、先生が「忘れ物をしたらダメでしょう!」と言って、児童が「ごめんなさい」と言ったら、先生が「次から気をつけてね」と言って終わる。
他にも友達どうしでケンカをしていたら、先生が事情を聞いて、それぞれの謝るところを見つけて児童がお互いに謝る。
私は自分が小学生だった頃や、先生になってからもそういう場面をよく見てきました。
私は小学校はそういうものだと思っていました。
ある時、私がよくサポートに入る低学年のクラスがありました。
そのクラスでも、児童がダメな事をして担任の先生に怒られていたことがあります。
児童たちはヤンチャで、担任の先生は厳しい方だったので、普段からよく怒られているところを見てきました。
でもその日は少しいつもと違っていました。
どんな内容で怒られていたかはもう覚えていませんが、チャイムが鳴ったのに教室に帰ってくるのが遅かったとか、とにかくよくある理由だったと思います。
クラスの決まりは何度も先生が児童たちに伝えています。
私から見ても確かに児童が怒られても仕方ない内容だったと思います。
児童は謝っていましたが、怒った先生の話はなかなか終わりませんでした。
私はその話を聞きながら、児童がどんな謝り方をしたら先生に許してもらえるのだろう?と考えていました。
児童は何度も謝っていました。
それでも先生は許してくれません。
私は児童の誤り方のいったいどこがいけないのだろう、とずっと考えていました。
それでも怒り続ける担任の先生を見て、私は気づきました。
そもそも先生は許す気はない。
謝ったら許してもらえるという私の考えが違っていたのかもしれないと思いました。
先生に許してもらう方法はない。
じゃあ児童はどうしたらいいのかというと、許してはもらえないことは分かった上で、それでも謝り続ける、が正解だと思いました。
きっと人生は大変なこともたくさんあって、中には許してもらえないような失敗もあるかもしれません。
でもまさかその許してもらえない場面を小学校で見るとは思っていませんでした。
それも内容はよくあるような失敗で、です。
怒られていた児童や、クラスの児童達がどう感じていたかは分かりません。
でも私は心の中でかなり驚いていました。
新しい考え方を知りました。
ちなみにこんなに厳しい担任の先生ですが、このクラスの児童たちのことが好きみたいでした。
先生たちで集まった時に児童のいないところで、元気すぎるけど素直で、ああいう子達は嫌いじゃない、と言っていました。