私は小学校の先生だった頃、いろんな学校を見てきました。
たくさんの先生たちがいて、いろいろな人間関係がありました。
私は先生全員が仲良く協力して同じ方向を向いて学校を作り上げて行く、そんな職場を期待していました。
でも実際はそんな職場は見たことありません。
ある学校で、若手の先生たちが集まって授業について話していたことがあります。
こんな方法で授業をするのはどうだとか、あの授業はどうだったとか。
そしてあるベテランの先生の授業内容の話になりました。
そのベテランの先生の授業には私もよく参加していて、変わった授業が多かったのですが私はその授業が好きでした。
でも若手の先生たちはなんであんな授業をするのだろうとか、その授業をしてどんな意味があるのだろう?と話していました。
私はどんな授業がいいかは、みんなそれぞれの考え方があるのだなと思いました。
他にも先生全体の意見を聞いて進めていく内容があった時、そのベテランの先生はみんなと違う意見でした。
その時も若手の先生たちはどうしてみんなでしようと話しているのに、あの先生は反対するのだろう?と話していました。
そして一人の若手の先生が、「はじめはもっと仲良かったのにな」と言っていました。
「昔は二人でご飯に行ったりもしていたんだよ」と教えてくれました。
そして最後に「どうしてこうなったんだろう…」と小さく呟いていたのが忘れられません。
私は若手の先生の「どうしてこうなったんだろう…」という言葉を聞いた時、その言葉が好きだなぁと思いました。
私には2人の関係性も、考えも、詳しいことは分かりませんでしたが、その言葉にはやっぱり仲良くしたいという気持ちが隠れているように感じました。
それでも今は距離が離れてしまったようでした。
私はどうにかしてまた2人が仲良くなってくれたら嬉しいなと思いました。
私は小学校で働いて先生たちの複雑な人間関係を知りました。
好きとか嫌いとか、良いとか悪いとか、そんな一言では表せない人間関係。
それでも私は若手の先生にも、ベテランの先生にも、とてもよくしてもらいました。
私にとっては大好きな職場でした。