私は小学生の頃から小学校の先生に憧れて、将来は先生になりたいと思っていました。
それくらい先生の仕事は魅力的だと思っていますが、なかには疑問に思うこともあります。
私は先輩の先生の授業を見て勉強をしていた時に、授業の進め方で驚いたことがあります。
それは確か図工の授業で、クラスのみんなが絵を描いていた時のことです。
私は全ての授業を見ていた訳ではなく、その授業ではすでに何時間かかけて描いた絵の続きを描くものでした。
そして授業の終わりの頃に、先生がみんなの絵を見渡して進み具合を確認して、「あと2時間で終わるようにしましょう」と言いました。
実際何時間だったかははっきり覚えていませんが、とにかくあとどれくらいで終わらせるかを、絵を描いている途中で児童たちに伝えていました。
そして授業の振り返りで、私はその先輩の先生から「授業のペースは児童たちの進み具合を見て決めていったらいいんだよ」と教えてもらいました。
それを聞いて、じゃあ何時間絵を描く時間があるのか分からない状態で児童たちは絵を描いていたの?と思いました。
私はその時思ったことを、先輩の先生に言えませんでした。
でも、もっと時間があると思って絵を描いていた児童が、途中でいきなりもうすぐ終わりと言われたら困るだろうと思いました。
そして私は自分が小学生だった頃を思い出しました。
今回の授業とは別の話ですが、私が小学生の頃受けた授業で、時間について印象深いエピソードがあります。
私は小学生の頃、そんなに頭はよくはなかったですが、図工の成績は良かったです。
絵を描いたり物を作ったりするのが大好きで、どの先生もいい成績をつけてくれました。
小学生の頃の話なので、そもそも普通にしていたらいい成績をつけてもらえるみたいです。
でも新しい図工の先生の授業になってから、今まで見たことがない低い成績をつけられてしまったことがあります。
その先生は今までの先生と少し違っていました。
ある時、図工の時間に工作をしていて、私は授業の時間内に作品が完成しなかったので、時間外に続きをすることになりました。
私は色画用紙などでクリスマスツリーを作っていました。
その時教室では図工の先生と二人きりで、先生は私が工作をしているのを横で見ていました。
そして私はその先生に「丁寧に作るのもいいけど、時間内に終わらせることも大事だよ」と言われました。
当時小学生だった私は、何か上手い会話ができた訳でもなく、多分何も言わずにただ工作を続けていたと思います。
そして図工の成績を見た時に、時間内に作品を完成させなかったからこんなに成績が悪いんだと思いました。
でも今思うと、そもそもその作品を何時間で完成させるのか、はじめに時間について何も言われていませんでした。
時間がどれだけあるか分からないのに、いったいどうやって時間内に作品を完成させることができるのでしょうか?
もし私がはじめに聞き逃していたとしても、そんなに時間が大切なら先生は何度もあと何時間かみんなに伝えていたはずです。
でもその作品の時も、それ以外の作品作りの時も、私はその先生から、作品にかけられる時間が何時間あるか一度も聞いたことがありません。
時間内で終わらせることが評価の基準になるのに、その時間がそもそも分からない。
今考えても不思議です。
でも私はその先生のことが嫌いだった訳ではありません。
多分先生も私のことが嫌いだった訳ではないと思います。
私はそれからも時間を気にせず作りたい物を作っていました。
というか子どもだったのであまり何も考えていなかったと思います。
そして先生も変わらず時間に厳しい評価をしていくのだと思っていました。
でもまた不思議なことが起きました。
私はその先生に何度か図工の成績をつけてもらっていたのですが、結局最後は最高点の成績が付けられていたのです。
当時子どもだった私もその時は驚きました。
あんなに時間が大事だと言っていたのに?
私は何も変わっていないのに?
今回たまたま時間内に終わることばかりだった?…そんなことないと思いますが。
「先生考え方変わったのかな?」と私は思いました。
小学校の成績の付け方って謎が多いです。