小学校の先生になるには、大学などに行って教員免許を取得します。
そして教員採用試験に受かって先生になるという流れが一般的ですが、教員採用試験に受かる前でも先生として仕事をすることもできます。
小学校の先生として働きながら採用試験を受ける人も多いです。
私は小学校の先生だった頃、非常勤講師として働きながら採用試験の勉強をしていました。
今回はそんな非常勤講師の仕事について話します。
非常勤講師でも仕事内容はいろいろです。
私が先生だったのは10年以上前なので、今とは内容が変わっているかもしれません。
私の場合は1年ごとに別の小学校に行って、その学校でいろいろなクラスのサポートに入っていました。
担任の先生が授業をしていて、ついていけない児童のサポートをすることが多かったです。
教科は算数や国語が多かったと思いますが、他にも図工や体育、家庭科、社会科見学、体育祭など様々な活動にも参加していました。
他にも特別支援学級での一対一の個別授業をしたり、少人数クラスでの算数の授業をしていたこともあります。
授業以外にも、宿題の丸つけやテストの採点、授業で使うプリントを作ったり、学校だよりを作ったりもしました。
休み時間に児童たちと遊んだり、給食を一緒に食べたり、児童たちの登下校に付き添うこともありました。
ただ、私は勤務時間が短かったので、基本的には他の先生方より早く帰っていました。
仕事が残っているときは勤務時間が過ぎてもそのまま残って作業をすることもありました。
また職員会議がある時などは、他の先生たちと一緒に参加したり、逆に他の先生が帰っても私は残っていることもありました。
そして早く家に帰っても、結局自宅で宿題の丸つけやプリント作りなど、仕事をしていることも多かったです。
私は好きでしていたので、いろいろ経験できるのは嬉しかったです。
でもいろいろなことが出来る様になればなるほど、教員採用試験の勉強をする時間がなくなるのがつらかったです。
上手く両立して勉強できる先生もいますが、私にはできませんでした。
教員採用試験を受けずに、教師を続けるという方法もあります。
私はそんな話を先輩の先生から聞いたこともありますし、そうしている人もいるみたいでした。
勤務時間が短い私に、「1人だけ早く帰るの気をつかうやろ?」と優しく声をかけてくださる方もいました。
私の勤務時間をよく分かっていなくて、最後まで学校に居る前提で話をされる先生もいました。
他の先生方がどう思っていたかは分かりませんが、確かに勤務時間が違うと働きにくいこともありました。
また、いろいろなクラスのサポートに入る難しさもあります。
ベテランの先生や他の先生たちと一緒に複数人で一つのクラスに入ることもありましたが、基本的には担任の先生が居て、私1人がサポートで入ります。
その時担任の先生の性格や考え方にもよりますが、基本的にはどんなふうにサポートすればいいかはほとんど教えてもらえません。
長く一緒に居ると何となく分かってきたり、たくさん話をしてくださる方もいましたが、手探りのことが多かったです。
あるクラスにサポートに入った時、担任の先生の感覚に距離を感じたこともあります。
その先生はあまり自分からいろいろ話すタイプの方ではなく、私のサポートをどう思っているか分かりませんでした。
そしてある時、1人の児童が私の言うことを聞かなかったので、担任の先生が来てくださいました。
私はてっきり先生は児童を叱るために来たと思っていましたが、そうではなく私に対して「すみません」と言われました。
その先生にとってはあくまでここは自分のクラスで、自分の児童が言うことを聞かなくてすみません、と言いたかったみたいです。
私はこのクラスの一員ではなく、あくまで「お客さん」なんだなと感じました。
私はこの小学校の先生で、先生たち全員がチームであり仲間だと思っていたので、それを聞いて私はそう思われていなかったと知りました。
それから1年が経って、新学期に向けて先生たちの移動が決まった時、私も他の小学校に移動することになりました。
先生たちが移動の話で盛り上がっていた時、あの「すみません」と私に言った先生が「寂しくなるな」と言われました。
それは私が別の小学校に行ってしまうことが寂しいということみたいでした。
あの先生がそんなことを言うなんて、とってもとっても、意外でした。
結局あの先生に、私はどんなふうに思われていたのだろう?と思います。
今でも思い出して、本当はどう思っていたのかな、と考えることがあります。