私は小学校の先生だった頃いろんな学級のサポートに入っていて、特別支援学級での授業もしていました。
児童に合わせていろんな内容の授業をしていましたが、特に印象に残っている出来事について話します。
それは特別支援学級の小学6年生の児童との授業での事です。
私はよく1対1での図工や体育の授業をすることが多かったです。
その子はおおらかで優しい感じの子でした。
担任の先生の方針で、なるべくその子のしたいことをする、その子に合わせるようにして欲しいと言われていました。
体育の時間は、私が特別支援学級にその児童を迎えに行って、一緒に体育館に行っていました。
廊下を2人で並んで歩いていると、その子はよく私の顔を見つめてきました。
何も言わず、でも何かを考えているような顔でじっと私は見つめられました。
何だか私の心の中を覗こうとしているような、私を試しているような眼差しでした。
でもいつも何も言わず、見つめているだけでした。
私はその時いつも少し緊張してドキドキしていました。
それはどうしていいかわからない戸惑いと、嫌われていないかな?という少しの不安だったと思います。
私はその子と仲良くなりたい気持ちが伝わると良いなと思いながら、少し笑って見つめ返していました。
もう10年以上前の話ですが、今でも時々思い出して、あの子はどんなことを考えていたのかな?と思います。
あの時、あの子が心の中で思っていたことが、いいことだったら嬉しいなぁと思います。