小学校の先生になりたい理由として、「子供が好きだから」という話をよく聞きました。
それは実際の小学校の先生や、先生になりたい人から聞いたというよりは、世間ではよく言われている理由といった感じです。
私は小学校の先生をしていた頃、小学校の先生たちといろいろな話をしてきました。
でも子供が好きかどうかという話をした覚えはありません。
だから先生たちがどんなふうに感じていたかはわかりませんが、私がどう思っていたかは話せます。
「子供が好き?」と聞かれた時の私の答えは、「普通です。」です。
どちらかと言うと、子供か大人かとかは関係なく、一人の人間だと思っていました。
この子はこの子であって、はじめは赤ちゃんだったし、これから大人になるし、いずれはおじいちゃんやおばあちゃんになるだろうけど、
今はたまたまその人生の中の小学生の頃のこの子に出会っている、くらいの感覚でした。
なので子供だから好きみたいにはあまり思いませんでした。
感じ方は先生たちも一人それぞれだと思いますが、私はこんな感じです。
私は学習の基本のところに関わりたくて小学校の先生になったので、そうすると相手は子供だったという感じです。
だだ、やっぱり子供だから可愛いと思うこともありました。
覚えているのは運動会の時のことです。
1、2年生が合同でダンスを踊るというのがあり、私もよく練習に参加していました。
その時の児童たちのダンスはとっても可愛いかったです。
なんというか、幼くて、小さいということが、それだけで無条件にただただ可愛らしいと感じました。
そしてこんなに可愛いのに、自分が小学生だった頃は、自分のことを可愛いと思わなかったなと思いました。
子供であることが何だか無力で、むしろ不安だったと思います。
それが大人になって、子供の可愛さが分かった気がします。
自分が子供の頃に、子供の可愛さが分かっていたら、もっと自分の子供時代を楽しめただろうなと思いますが、それはできないみたいです。